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ネットの友達

僕は1年間浪人していたことがある。

 

浪人生活は孤独だ。

一応、一緒に浪人している奴は居たが、そいつは5月頃に彼女を作って早々に予備校に来なくなった。

孤独さや自分だけ社会から取り残されているような不安に耐えられなくなった僕は友達が欲しいと思った。

 

ただ、予備校で友達を作るのは人の勉強を妨げかねない(話しかける勇気が無い)ので、ネットで友達を作ることにした。

 

なるべく勉強の邪魔をしないものをと思って方法を探していると海外の人とチャットで会話できるというアプリを見つけた。詳しくいうと、僕は英語を勉強したい日本人といったふうにアプリでユーザー登録する。すると、日本語が勉強したい英語が喋れる人が紹介され、お互いが勉強したい国の言葉でメッセージを送り合い、文法などが変だったら直してあげたりするといったものだ。

 

勇気をだして何人かにメッセージを送ってみた。すると、一人の女性から返信が来た。「こんにちは。私はジェシカ(仮名)です」

 

なんかドキドキする。

 

よく考えると女性とメッセージのやりとりなんてほとんどしたことがない。僕は英語の勉強なんてとっくに忘れ、異性とのやりとりにテンションが上がっていた。

 

彼女はアメリカに住んでいて京都が好きらしい。まだ日本には来たことがないそうだが日本が好きでいろいろ調べているそうだ。僕は修学旅行で行った金閣の写真を送ったり、京都に関することを調べて教えたりすることに必死になった。

 

勉強は既に疎かになっている。

 

向こうの時間に合わせてメッセージが来たらすぐに送り返せるようにように夜中まで起きていた。

 

 

しかし、ある日突然、パッタリとメッセージが来なくなった。

別に変なメッセージは送っていない。

日本の観光地などについて話をしていたところだった。

 

メッセージがウザかったのだろうか。

一週間返信がなかったのでアプリをやめるという旨の内容を送り、アプリをアンインストールした。

 

 

寂しさを埋めるために始めたことがより大きな寂しさをもたらした。